
こんにちは。総合職で働く副業サラリーマンの“ぱぶろ”です。
書籍『全社戦略がわかる』を読みました。
企業全体の成長と最適化を図るための戦略を解説した書籍で、事業ポートフォリオ管理やシナジー創出、資源配分の最適化を通じて競争優位を確立する方法を学べる一冊。
本書から学べるポイントは、下記の3つ。
- 企業最適化には全社戦略が必須
- 事業選択と資源配分で柔軟性確保
- シナジー最大化とビジョンの統一
それと、M&Aや事業統合、撤退の意思決定プロセス、全社ビジョンの策定などを実践的なフレームワークで説明し、企業の持続的成長に必要な戦略的視点の理解に役立ちます。
Amazon評価 | ★★★★☆(4.3/5) |
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著者 | 菅野 寛 |
ページ数(紙) | 263ページ |
目次 | 第1章:全社戦略では何を考えるのか 第2章:事業ポートフォリオ・マネジメント 第3章:シナジーマネジメント 第4章:全社ビジョン 第5章:全社組織の設計 |
企業全体の最適化には全社戦略が必須
- 全社戦略とは?
- 資源配分と事業の選択
- 全社戦略の具体例
全社戦略とは何か?
全社戦略は、複数の事業を持つ企業が全体として成長し、競争優位を確立するための戦略で、個々の事業単体ではなく、企業全体の視点から意思決定を行うことが重要です。短期的な業績向上だけでなく、長期的な視点で市場環境の変化に適応しながら持続的な成長を目指します。そのためには、経営陣が企業全体の方向性を明確にし、一貫性のある戦略を実行することが求められます。
資源配分と事業の選択
企業は、どの事業に資源を投入し成長させるか、どの事業を縮小・撤退させるかを判断しなければなりません。これにより、全体の最適化を図ることができます。成長が見込まれる分野に積極的に投資する一方で、競争力が低下した事業は見直し、必要に応じて撤退することが不可欠です。適切な資源配分を行うことで、企業は市場の変化に柔軟に対応し、持続的な競争優位を確保できます。
全社戦略の具体例
グローバル展開や新規事業への投資、既存事業の統合などが全社戦略に含まれます。たとえば、多国籍企業が新興国市場に進出する際、単なる事業拡大ではなく、各地域の市場特性を考慮した戦略を立てることが重要になります。また、異なる事業領域を持つ企業がシナジーを生み出すために、M&A(合併・買収)を活用し、事業の統合を図るケースもあります。適切な戦略を策定することで、企業は短期的な利益だけでなく、長期的な競争力も強化でき、持続可能な成長を実現できます。
事業選択と資源配分で柔軟性を確保
- 限られた経営資源の最適活用
- 事業ポートフォリオ・マネジメントの重要性
- 合理的な意思決定のための分析手法
限られた経営資源の最適活用
企業が成長するためには、ヒト・モノ・カネといった限られた経営資源を適切に配分することが不可欠です。特に、グローバル競争が激化し、市場環境が急速に変化する中で、資源の適切な活用は企業の競争力を左右します。人的資源では、適材適所の配置や専門性の向上が求められ、物的資源では設備投資の最適化、財務資源では投資リスクの管理が重要になります。限られた資源を最大限に活用するためには、明確な事業戦略と迅速な意思決定が不可欠です。
事業ポートフォリオ・マネジメントの重要性
成長が見込める事業には積極的に投資し、衰退する事業は縮小・撤退を検討するなど、選択と集中が求められます。特に、多角化を進める企業では、すべての事業に均等に資源を分配するのではなく、企業全体の成長に貢献する事業に重点的に投資することが重要です。例えば、テクノロジーの進化が速い業界では、過去の成功事業に固執せず、新しい分野へ積極的にシフトすることが求められます。事業ポートフォリオの適切な管理により、企業は競争優位を維持し、持続的な成長を実現できます。
合理的な意思決定のための分析手法
GEの「事業ポートフォリオ管理」では、市場成長率と競争優位性のマトリクスを活用し、事業の優先順位を決定します。この手法を活用することで、企業はどの事業を成長させ、どの事業を縮小または撤退すべきかを客観的に判断できます。たとえば、市場成長率が高く競争優位性のある事業には積極的な投資を行い、市場成長率が低く競争力の弱い事業は整理・撤退を検討することが合理的な戦略となります。さらに、データと市場分析を活用し、リアルタイムで環境変化に対応することが、企業の柔軟性と持続的成長につながります。こうした分析をもとに戦略を策定することで、企業は市場競争において優位性を確保し、長期的な成功を収めることができます。
シナジーを最大化し、全社ビジョンで組織を統一
- シナジー創出の重要性
- シナジーの実例:トヨタの電動化戦略
- 全社ビジョンの浸透が成長の鍵
シナジー創出の重要性
複数の事業や部門が連携することで、単体では生み出せない価値を創出し、企業の競争力を高めます。シナジーには、コスト削減や業務効率向上といった「コストシナジー」、新たな価値を生み出す「成長シナジー」、技術やブランド力を活用する「知的シナジー」など、さまざまな形態があります。これらを意識的に活用することで、企業は事業間の相乗効果を最大化し、市場での競争優位性を強化できます。特に、多角化経営を行う企業においては、異なる事業が相互に補完し合う仕組みを整えることが重要です。
シナジーの実例:トヨタの電動化戦略
電池技術、車両製造、AI開発などの異なる事業領域を連携させることで、効率的な開発を実現しています。例えば、電池技術の進化がEV(電気自動車)の航続距離向上につながり、AI開発による自動運転技術の進歩が新たなモビリティサービスを生み出しています。こうした連携により、トヨタは単なる自動車メーカーから「総合モビリティ企業」へと変革を進めています。さらに、パートナー企業との協業を強化することで、技術開発のスピードを上げ、持続可能な成長を実現しています。このように、シナジーを生かした事業戦略は、企業全体の成長に大きく寄与します。
全社ビジョンの浸透が成長の鍵
企業の方向性を統一し、社員の意識を一つにすることで、環境変化にも対応しながら一貫性のある成長を遂げられます。全社ビジョンが明確でないと、各事業や部門がバラバラに動き、シナジーを最大化することが難しくなります。そのため、トップマネジメントが明確なビジョンを示し、それを組織全体に浸透させることが不可欠です。ビジョンを共有することで、社員一人ひとりが自らの役割を理解し、企業の目指す方向に向かって協力し合う文化が醸成されます。また、環境の変化に応じてビジョンを適宜アップデートし、柔軟に対応することも重要です。強いビジョンを持つ企業ほど、変化に対応しながらも一貫性のある成長を続けることができます。
まとめ
『全社戦略がわかる』は、企業全体の成長と競争優位の確立に向けた全社戦略の重要性を解説した一冊。
個々の事業の成功にとどまらず、事業ポートフォリオの管理や資源配分の最適化を通じて、企業全体を最適化する視点の重要性に気づかされます。また、成長分野への投資や衰退事業の撤退といった選択と集中の判断が、柔軟な経営には不可欠であることを示しています。
環境変化に対応しながら持続的に成長するためには、シナジーを最大化し、全社ビジョンを明確にすることが不可欠です。さらに、戦略を組織全体に浸透させることで、社員の意識を統一し、一貫性のある経営を実現できます。
全社戦略の本質を理解し、企業経営の質を高めるためのヒントを与えてくれます。